NHK高校講座は、とても分かりやすい。

NHK高校講座のホームページを観てみると、今年度にテレビやラジオで放送したものがすべてアップされています。
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/

「倫理」2学期第30回では、哲学者「カント」がテーマでしたので早速、聴いてみました。
講師の人は、難しい言葉は使わずに、わかりやすく説明してくれました。
内容は3点。

①自律としての自由
②人間の尊厳
③永遠平和のために
なかでも②人間の尊厳が、とても心に響きました。

カントが主張しているポイントは次のようなことです。
・自らの意思で道徳的に生きる自律の力を持つ存在を →「人格」と呼ぶ。
・人間は、この「人格」を持つから → 尊い
・そういった人間は、自分も他人も手段としてのみ扱ってはいけない。
・常に同時に、目的として扱わないといけないのだ。


自分を大切にすべし。
かつ、自分の利益のためだけに他人を利用してはいけない。
どうしても他人を手段として利用しなければいけない時でも、その人を敬う気持ち・感謝の気持ちを忘れてはいけない。
ということなのでしょう。


なんか、カントの言ってることは当たり前のことと思えます。
しかし、自分はなかなか実行できていないような気がします。


たとえば、昨日、携帯ショップへ行った時のことです。
auの機種変更をしたいのですけど、スマートフォンにしたら毎月いくらの支払いになりますか?」と女性の店員さんに質問しました。


その店員さんは、新人さんでした。
料金表など入ったファイルをペラペラめくりながら調べています。
どんな割引が適用されるのか、よくわからないらしくて困っている様子。
店長らしき男性店員が、後ろで見守っています。
すでに5分くらい経過しています。

「早くしてよ。わからないなら、後ろの店長に聞けばいいじゃん。」と、私は少しイライラしてきました。
結局、店長が後ろから声をかけてくれて、店員さんは質問に答えてくれました。


その時の私の気持ちを、上のカントの主張にあてはめてみますと、
私には「自分の質問に答えて欲しい」という気持ちが強く、店員さんを手段としてのみ扱っていました。
だから、即答できないことにイライラしたのでしょう。
やはり、店員さんを目的としても扱うべきだったのでしょう。

たとえば、
・店員さんは、まだ経験が浅い。
・客の質問に即答できないのは当たり前だ。
・5分くらい待つことは、たいしたことではない。
・店員さんも、一人の人間。尊い存在だ。
・一所懸命、私の質問に答えようとしてくれている。
・仕事とはいえ、自分のために何かをしてくれることは、とてもありがたいことだ。
・この店員さんも、経験を積んで一人前の店員さんになっていくだろう。
・私の今回の質問もそのステップの一つとして役立ててほしい。


このように考えれば、イライラせずに、店員さんの成長を温かく見守ることができたことでしょう。


当たり前だと思うことを、実際に実行することは難しいですね。
努力していきたいと思います。