月9が面白すぎる 第9話【最後の授業】

恋愛ドラマでは、三角関係はよく出てきますが、『大切なことはすべて君が教えてくれた』では、三角関係というよりも人間関係が描かれています。この第9話でも人間関係がとても美しく描かれていました。


まずは、
●喫茶店での修二&夏実
・夏実に通帳を渡す修二
・「要らないよ!」と返す夏実
・一時的な感情やプライドで受取らないのはダメ。子供のためにならない。毎月のことは今度きちんと決めよう。相手の人には上手く説明しておいて欲しい。と言う修二

夏実「あのね...」
修二「ん?」
首を横に振り、「...ありがとう」という夏実

→言いたいことが言えない夏実。ここで言ってしまったらドラマにならないでしょうし、現実の人たちも(私も含めて)本当に言いたいことは、なかなか言えないと思います。
勇気を出して言ってみたとして、自分の予想と違う結果になったら、全てを失ってしまいそうで怖い。かなりショックを受けるだろうし、しばらく立ち直れないかもしれない。こうした想像力が人を臆病にさせるのかもしれません。
「あのね」から「ありがとう」というまでの戸田ちゃんの表情は、言いたいことを言い出せない気持ちがとても上手く表現できていてとても良かったです。


そして、
上野駅ホームの修二&ひかり
・最初から一人で行くつもりだったのだろう?と修二に言われたひかりは、「大丈夫ですと」言って北斗星に乗り込みます。ドアが閉まるのを待つ2人。

「なんか照れるね。こういうの」
「うん」
「恋人同士に見えるかなぁ?」
「見えないよ。」
とマジレスする修二
「冗談です。」「でも見送られるのっていいね。待っててくれる人がいるみたいで」
「いるよっ!待っててくれる人はいる!」
「そうかなぁ?...でも先生が言うなら、信じます」

P!nk「Rnuaway」が流れ始める
「さよなら」
「ちがう!」
北斗星に乗り込む修二。驚くひかり
→何が「ちがう」のか一瞬わかりませんでしたが、その後の会話で分かりました。それにしても無鉄砲な修二。もし、ひかりが「行ってきます」と元気に言っていたら、修二は北斗星に乗らなかったのかもしれません。ただ、ひかりがどんな言葉を言ったとしても、悲しげ・不安げな表情は隠せなかったでしょう。そんなひかりをほっとけない修二は、結局北斗星に飛び乗ったのかもしれないですね。


さらに、
北斗星に乗った修二&ひかり
「違うよ。行ってきますって言わなきゃ。帰ってくる人が、さよならなんて、言わない!それに「大丈夫」「心配するな」なんて何度も言われたって、そんな顔してたら心配で送り出せない。」
涙を浮かべて「行ってきます。」と言うひかり
→こんな風に自分を心配してくれてひかりは嬉しかったのでしょう。武井さんの光る涙がとても美しかったです。
あと3分電車のドアが閉まるのが遅かったら、修二は北斗星に乗らずにすんだのでしょう。


「でも、どうしよう?」と明日の夏実との待ち合わせを心配する修二
「次で降りればいいよ。」とひかりが言ったら、「ハハッそうだね」と修二が安心して言う。
→ひかりはふと寂しくなったのでしょう。その心理を次の言葉が絶妙に表現しています。


「でも、もう少し一緒にいてくれない?...じょうだん.....じゃなくて」
→(1)やさしくされて嬉しくて、本音がつい出てしまう。(2)だめだめ、そんなに甘えちゃいけない。と一度は否定する。(3)でもやっぱり先生と一緒にいたい。という三段階の一瞬の感情を表現しています。
上野駅で言った「恋人同士に見えるかなぁ?」という冗談と、ここのでの冗談が対比されている点は、脚本の安達さんの素晴らしさが光っています。


「約束があるんだ。夏実と会う約束があるんだ」
「じゃあ、それまででいい」

→上村先生と約束があるなら仕方がない。限られた時間だけど、先生と一緒にいられる時間を大切にしたい。と気持ちを切り替えられたひかり。これも修二が、きちんと約束があると言ったからでしょう。優柔不断だった修二が、ここにきて男らしくなってきました。


◆最終話【結婚】
予告を観ましたが、望未や亜弥さんなど、みんな笑顔になっています。
みんながハッピーエンドに終わることが予想されます。
そのハッピーエンドになっていく過程で、人が生きるために大切なことは何なのかが描かれていくと思います。楽しみです。