柴田知佐さんの話を聞いた。

光ヶ丘女子高等学校 創立50周年(平成25年)
第2回教育講演会
「いま、自分に出来ること!」地雷廃絶活動の中で・・・

 講師:立命館大学大学院 柴田知佐さん 
 日時:3月12日(土)13:30〜15:00
 場所:光ヶ丘女子高校・ヴェリタスホール


柴田さんから地雷の問題点、課題などについて、パワーポイント、映像を通してとても分かりやすく話をしていただきました。
私は、これから地雷について本を読んで勉強しようと思っており、基礎知識を身につけることができました。とても有意義な時間でした。
以下、講演内容について書きたいと思います。


1.地雷は2種類ある
 (1)対戦車地雷
 (2)対人地雷
・戦車を狙った対戦車地雷は、人間が踏んでも通常は爆発しない。例えば70kg〜80kg力が加わった時に爆発するように設定してあるそうです。しかし力士などが踏めば爆発する。
・対戦車地雷をゾウが踏んでしまい、右前足がなくなり、義足をしている写真を見せていただきました。とても痛ましい姿でした。人間同士の争いで動物を巻き込んでしまうことは、とても愚かな行為だと思いました。
・コロンビアでは、ペットボトル容器や注射器を使って対人地雷が手軽に作れてしまう(コストは約1ドル)地雷が埋められている。金属探知機に反応しないので除去作業が難しいそうです。


2.地雷の数(推計個数)
 アフガニスタンイラク、中国 各1,000万
 イラン 1,600万
 アンゴラ 1,500万
 カンボジア 600〜700万
 エジプト 2,300万  など
・特に問題になっている国は、アフガニスタンアンゴラカンボジアの3国。
・エジプトは数は多いが、人の少ない地域に埋められているので上記3国よりも被害は少ない。
・全世界には、合計6,000万個〜1億個の地雷が埋まっているそうです。
・推計に大きな幅がある理由は、地雷は地面にうまっているため、正確に個数を把握できないからだそうです。


3.地雷の問題点
 ◆無差別性・・・兵士だけでなく民間人もターゲットになる
 ◆残虐性・・・・殺すよりも「傷つける」ことが目的
 ◆残存性・・・・戦争が終わっても地面に埋まっている

・地雷の犠牲者の90%は民間人だそうです。
・小さい子どもなどは、被雷して死んでしまうこともあるが、命を奪うことが主な目的では無い。なぜ命を奪わないかというと、被雷によりケガをすると、まわりの人が救助する→それに人員が割かれる→治療費というコストもかかる→ケガは治っても、被雷の精神的ショックが残る
→このように敵国に対して、人的・経済的・精神的に打撃を与えることが地雷の目的だそうです。被雷して手や足を失うと、仕事ができなくなり、→ 物乞いする、ただ座っているだけ、アルコール中毒になってしまう人もいるそうです。
・義足は、一度作ってしまえば一生使えるというものではない。大人の場合、約5年ごとに作る必要がある。
→しかし子どもの場合は、もっと大変である。子どもは体が成長するので、足や手の骨が皮膚を突き破ってくる。そこで、半年に一度、骨を削る手術をしなければならないそうです。この話を聞くと、地雷は絶対になくさないといけないと強く思いました。
・柴田さんが中学1年生のときにカンボジアの地雷源を取材された映像を拝見しました。そこで柴田さんが、現地で同世代の子どもに、危険な場所に住んでいる理由を聞かれました。彼は「貧しいから引っ越せない」と答えました。


4.これからの課題
除去活動 ← 現在これが中心に行われている
回避活動 ← 文字の読めない人たちに「立入禁止」の表示などの意味を教えていく
被害者支援 ← これが大切。 手足がなくても仕事ができるようにする
啓発活動 ← 日本にいても、すぐにできること。
<啓発活動のポイント>
 (1)知ること
 (2)伝えること
 (3)行動すること

⇒柴田さんの話を聞いて、さらに詳しく地雷について調べていこうと思いました(知ること)
⇒私のブログの記事は、毎日数十人の方が見てくれています。その方たちが何かを感じていただければ嬉しく思います(伝えること)
⇒先日、地雷廃絶に取り組む団体の会員になりました(行動すること)
 
特定非営利活動法人 地雷廃絶日本キャンペーン」
http://www.jcbl-ngo.org/


5.講演を聴いた感想
・柴田さんは、難しい言葉を使わずに、感じたことを率直に話されていましたので、とてもわかりやすかったです。
「小さな積み重ね → 継続 → 地雷が無くなる」
「ひとりの百歩より 百人の一歩」

という柴田さんの考えは、今回の講演を通じてとても説得力がありました。
・柴田さんが京都で一番大きな書店へ行き、地雷関係の本を探したけど、取り扱いがないと言われたそうです。地雷に関心が高まった時期はあったものの、現在では「過去のこと」になってしまったようです。今でも地雷の被害に苦しむ人がたくさんいるのであるから、決して過去のことではないです。私も、自分のできることを継続してやっていこうと思いました。


6.光ヶ丘女子高校について
・会場となった光ヶ丘女子高校ですが、当校の学生さんも何人か会場にいらしていました。「こんにちは!」と元気にあいさつをしてくれた子もいました。とても良い校風だと思いました。
・講演会の最後に、学校行事などで歌われる曲『夢を咲かそう』をみんなで歌いました。合唱部であろう人たちが前に出てきて、笑顔で歌ってくれました。歌詞に感動して涙が出てきて、私は歌えませんでした。
自分らしい花でいいから みんなのぬくもり受け止めて
このひとときを抱きしめて あの空に夢を咲かそう
自分の母校にはこんな素敵な歌は無かったです。
自分に子供がいたら、是非ともお世話になりたい学校です。