シンポジウム「いのちを慈しむ」に参加した その1
永平寺を参拝し、バス乗り場から永平寺口行きのバスに乗りました。
10分くらいで下車。坂を登っていき、シンポジウムの会場に到着しました。
30分前ですが、すでに100人くらいは入場していました。
お寺が主催するシンポジウムは初めての体験。3人の貴重なお話を聞くことができました。
「いのちを慈しむ 〜原発を選択したにという生き方〜」
13:00〜15:40
永平寺町 四季の森文化館
1.司会者より
はじめに司会の方からこのシンポジウムの趣旨の説明がありました。
「これは運動ではないです。脱原発とか反原発などある方向へ導こうとするものでもない。ここでの話をもとに“いのち”について考えるきっかとしてほしい。お釈迦様の教えは、自ら考え、自ら行動するものだから。」とのこと。
また、「このシンポジウム開催の記事が10/7の中日新聞に掲載されると、大きな反響があり、永平寺のネームバリューに驚いた。」とのこと。当日の会場には、報道関係も10社ほど取材に来ていたようです。確かに、檀上で話す人をカメラで写すシャッターの音が、パシパシ鳴っていました。
2.松原徹心さんのお話
スケジュールには書かれていませんでしたが、基調講演の2人の前に、永平寺「禅を学ぶ会」会長の松原徹心さんの話がありました。印象に残った点を箇条書きにしてみます。
・落ち着いて静かに事態を見つめることが大切。正しい判断をいただくためです。
・お釈迦さまの教えは「万物は共生」です。
・動力炉・核燃料開発事業(動燃)の当時の理事長 清成迪(ただし)氏から永平寺に話があった。それは「文殊菩薩の知恵と普賢菩薩の慈悲をいただき、生きとしいけるものの幸せにつながつようにしたいので「もんじゅ」「ふげん」という名前をつけました。」という話。これに対して永平寺は「それはいいことですね」と言った。
・憎しみを越えていくことが大切です。憎しみからは何も生まれないから。
・感謝をすることから知恵が生まれます。
●わずか15分くらいでしたが、原発の問題と仏教の教えを見事に関連させて話していただき、素晴らしいお話でした。
中でも、はじめに言われた「落ち着いて事態を静観すべき」が一番のエッセンスだと感じました。これは、原発問題だけでなく、国際問題、政治経済の問題から身の回りの問題まであらゆる事態について共通している考え方だと思います。今さら人から聞くまでもなく、理屈では十分知っていることでしたが、自分自身100%実践できていた訳ではないです。不測の事態に慌ててしまうことが今でもあります。長年、仏教の道を実践されてきた杉原さんから改めて聞くことによって、心にスーッと入ってきました。松原さんのお話だけでもこのシンポジウムに参加した価値がありました。
●基調講演の 飯館村酪農家 長谷川健一さん、小浜市明通寺住職 中島哲演さん のお話の感想は長くなりますので、明日書く予定です。