「ガンディー 魂の言葉」を読んだ

 非暴力でインドを独立に導いたカンディーさんを私は尊敬しています。
 しかし、ガンディーさんが具体的にどのようなことを話し、また書き記してこられたのか?私は、十分に理解していないです。
 そこで、活字できちんと読んでみたいと思い、比較的読みやすそうな「ガンディー 魂の言葉」を図書館で借りてみました。



・目次を見ただけでも、素晴らしい言葉が詰まっていることが予想されます。

 第1章 打ち砕かれた心のために
 第2章 暴力にさらされた世界
 第3章 非暴力への道
 第4章 捨てることから始めよう
 第5章 近代文明の悪から離れて
 第6章 道徳なき経済はいらない
 第7章 農村に帰ろう
 第8章 手仕事のある簡素な暮らし
 第9章 健やかな体であるために
 第10章 幸せを求める心のために
 第11章 愛と死について
 第12章 いま、この社会を変えるために


 本文は、写真のように見開きで2つの文章が書かれています。以前話題になった「超訳 ニーチェの言葉」「超訳 ブッダの言葉」と似た感じです。全部で170篇ありますが、内容に引き込まれてしまい1日で読んでしまいました。

 特に感動した言葉は、2つありました。1つ目は、第1章 打ち砕かれた心のために に収録されている言葉です。

 人は微笑みで悲しみを乗り越える。
 涙は悲しみを倍にするから。
         バーブの祝福』1946年4月1日

 
 この言葉は、当時のインドの人々だけでなく、東日本大震災で被災された方々をはじめとした悲しみをかかえる現代のすべての人々にも勇気を与えてくれるものだと思います。
 しかし、この言葉を何度も読んでみると、単なる「ほほ笑んで、悲しみを乗り越えよう!」的なメッセージではない、と感じました。もっと深い意味があるのではないかと。
 すなわち、ことばの表現が「乗り越えよう!」ではなく、「乗り越える」というように、事実を淡々と表現している点がポイントです。これは「人間には、悲しみを乗り越える力を自分自身の中に持っている。それは涙を流すことではなく、微笑むこと。人間にはこんなに素晴らしい力が備わっているのですよ。」といった意味が含まれているように感じました。
 きっと、カンディーさんは、「微笑むことで悲しみを乗り越えてきた人たち」を何人も見てきたのではないでしょうか。



 そして、もう1つ感動した言葉は、第10章 幸せを求める心のために に収録されています。

 幸せとは、
 誰かの幸せのために生き、その人の幸せな姿をこの目で見ることだ。
                   『マハーデーヴ・デサイの日記』

 こんなに短い文章のなかに、物事の真理がつめこまれていることに驚き、涙がこぼれました。
 カンディーさんは、まさにこれを実践されてきたのでしょう。


●以上の2つの他にも、「非暴力の大切さ」「物欲を捨てること」「近代文明・資本主義経済への批判」など、なるほどなるほど。と思える言葉がたくさんつまっています。
 この本は、比較的さらりと読めてしまいますが、カンディーさんの言葉を本当に理解し、実践するには、覚悟と努力が必要だということを認識しました。何度も読み返したいと思います。
 カンディーさんのように考え、実践する人が一人でも増えることで、平和な世の中により近づいて行くことでしょう。まずは私がその一人になるよう努力していきたいです。