映画「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」を観た

今週は3本も映画を観ました。
本日観た「X-MEN ファースト・ジェネレーション」は、X-MENシリーズ(00年、03年、06年)の主要キャクターであるプロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア)やマグニートー(エリック・レーンシャー)の若き日を描いています。STAR WARSシリーズでいうところの、エピソード1にあたります。


以下、ネタバレを含みますのでまだ観ていない方はご注意下さい。






良かった所は、以下の5点です。


1.ケヴィン・ベーコンの演技
・中学生の時観た「フットルース」(1984年)では、さわやかな青年を演じていましたが、「激流」(1994年)での悪役の演技も印象的でした。今回も悪役で登場。最初誰だかわかりませんでしたが、細い目と少しこけた頬でケヴィン・ベーコンだとわかりました。オープニングで、少年マグニートーの潜在能力を強引に引き出そうとするシーンは、悪魔のようでとても恐ろしかったです。


2.二人の友情物語
・過去のX−MENシリーズでは、プロフェッサーXマグニートーは対立しているけど、昔は仲が良かったことがわかっています。しかし、詳しくは描かれたことはありませんでした。この映画では、二人が出会い、どのように友情を深めていったのかが描かれます。
・しかし、「ミュータントが平和に暮らせる世界にしたい」という想いは一致している二人ですが、その方法論はまったく逆です。プロフェッサーXは、ミュータントが人間を守り、人間と共存する方法。一方、マグニートーは、ミュータントにとって人間は敵。だから人間を滅ぼすという方法。この違いは、二人の育ちの違いから生まれてきたのではないかと思いました。(プロフェッサーXは、お金持ちの家に育って不自由のない暮らしをしてきた。一方、マグニートーは、ユダヤ人として迫害され、母親を殺された)
・この二人の考え方の対立は、いわば「対話重視」vs.「暴力による解決」だと思います。こうした考え方の対立は、現在の実際の世界にもたくさんあるなあと思いました。


3.すっきり感
・「なぜプロフェッサーXは、車いすを使っているのか?」
「なぜプロフェッサーXは、ミュータントの学校を創ったのか?」
マグニートーのかぶっているヘルメットの由来」
「なぜミスティークが、マグニートーの仲間なのか」
などがこの作品でわかります。第1作「X-メン」(00年)と話がつながりました。パズルの最後のピースがきちっとはまった感じでした。


4.新しいアクション
・空を飛ことができるミュータントが、2人出てきて空を飛びながら闘います。飛行機同士が闘うアクションは、よくあるのですが、人が飛んで闘うシーンはあまり見たことがなくて、とても新鮮でした。


5.人間は強いものを恐れる
・この映画は、1962年のキューバ危機が舞台となっています。冷戦の時代は、お互いの国が相手国の軍事力を恐れ、2つの国は対立。ソ連キューバにミサイルを運ぼうとしてソ連アメリカが一触即発となるシーンがこの映画のクライマックスで描かれています。
・しかし、そこのミュータントが参入して来て、危機が回避されます。マグニートーが潜水艦を持ちあげるところなどを目の当たりにしたソ連アメリカは、お互い意志疎通はしていないものの「敵は、ミュータントだ!」としてミュータントにミサイル攻撃をします。このシーンは、人間が強いものを恐れる性質をまざまざと見せつけられました。人間の「防衛本能」なのかもしれません。



●この作品を含めてX−MENシリーズに出てくるミュータントは、空を飛べる、瞬間移動できる、心を読める、竜巻を起こせるなど、通常の人間が持っていない能力を持っており、それを闘うことに使ってしまっています。人間がそうさせたのかもしれません。
しかし、本来であれば、ミュータントには自分の能力を平和利用して欲しいです。例えば、「人間同士が紛争になりそうなときにお互いの気持ちをを和らげてあげるミュータント」「発電するミュータント」「ごみ処理するミュータント」「歩けない人を運んでくれるミュータント」「火事で逃げ遅れた人を救助してくれるミュータント」などなど。映画にしても面白くないかもしれませんが、実際の世界にこうしたミュータントがいてくれると喜ぶ人は多くなるでしょう。


X-MENの原作は、アメリカの子ども向けのコミック。それを大人が真面目に映画化してくれています。「ウルヴァリン」(09年)を含めると5作品にもなります。それだけ原作が、大人が感心できる深いテーマを扱ってることなのでしょう。
「プロフェッサーXが創った学校で1期生がどう成長していくか」「マグニートーがどのように人間と敵対していくか」など、描いてほしいエピソードはまだまだ沢山あります。続編を期待しています。