映画「100,000年後の安全」を観た

昨日、見てきました。
近所の映画館ではやっていないので、名古屋市今池の「名古屋シネマテーク」まで行ってきました。
この映画館は、雑居ビルの2階にありました。最近のシネコンのような現代的な洗練さは無いですが、映画が大好きな人たちが、長い間映画を楽しまれてきた伝統を感じました。こういう映画館は、これからもずっと続けて欲しいです。


<映画の概要>
ざっくりとストーリーを思い出してみると、以下の通りです。

 舞台は北欧 フィンランド
 原子力発電をすると放射性廃棄物が出る。
 しかし、これらは10万年くらいは放射線を発するので、きちんと保管しなければならない。
 地上や海中に保管すると、戦争などが起きてどうなるか分からない。
 地層の安定しいている地中深くに埋めれば安全だろう。
 現在もトンネルを掘っている途中だ。西暦2100年くらいまでかかる。
 掘った後、放射性廃棄物を埋めて、コンクリートでトンネルを塞ぐ。
 しかし、10万年の間に未来の人間が、掘り出してしまわないか?
 未来の人間には、今の言語が通じないかもしれない。
 じゃあ、警告表示をで書いておこう。
 いや、そもそも表示なんてしない方が良いのではないか?という意見もある。
 10万年後のことは誰にもわからない。


パンフレットが上映館やamazonなどで6月中に販売されるようです。



<映画の感想>
・この映画には企業の副社長や、議員などが登場してきますが、「フィンランドの人は、すごい!」と思ったのは、はるか遠い未来の10万年後の子孫の安全を、今の大人が真剣に考えていることです。
・「掘るな!」と言われれば掘りたくなるのが人情だし、「危険」と書いても、「とても高価な財宝が埋まっているのではないか?」と考えて掘ってしまうかもしれない。だからいっそのこと、何も表示しないで、未来の人には何も伝えないでおこう。と考える人もいる。結局、法律で「フィンランド政府は、放射性廃棄物が埋まっていることを未来の人に伝えていく義務がある」と決められたそうです。「そんな先のこと考えたって、わかりっこない」として思考停止してしまいそうなところを、諦めずに考えるフィンランド人には感服しました。


とてつもなく危険なものを作ってしまったことに対する責任を果たそうとしているフィンランドの人たちの姿勢は、日本人も学ぶべきだと思いました。