現代ヨーロッパ史の検証「ヒトラーの政権獲得」

名古屋市生涯学習推進センターの講座の第2回目。
本日も、若尾祐司先生から有意義な話を聞くことができました。
特に印象に残ったのは、以下の3点です。
(講義を聞いた後、WIKIPEDIAなどを参照して書いています)


1.ヒトラーのナチ党は、「飼いならせる」と思われていた

ヒトラーは、1933年1月ヒンデンブルク大統領から首相に指名され、ヒトラー内閣が発足。
続く3月の選挙でもナチ党は議席数を伸ばします。

これまでのナチ党の議席獲得数の推移を見てみますと、以下のようになっています。(かっこ内は総議員数)
 1928年     12(491)
 1930年    107(577)
 1932年7月   230(608)←ここで第一党になる
 1932年11月 196(584)
 1933年3月  288(647)

ナチ党は、第一党ではあるのですが、議席数の増え方もジワリという感じだし、
まだ過半数を獲っているわけではありませんでした。

また、同年3月21日の国会開会式でヒトラーヒンデンブルク大統領に頭を下げて握手をしています。

このような事情から、ヒトラーのナチ党は「飼いならせる」と思われていたようです。
しかし、この後1933年11月の選挙で、ナチ党は、総議員数661のところ659もの議席を獲得。
ヒトラーは、一気に独裁者への道を進んでいきます。


2.辱めを受けた人


これは、1933年3月10日の写真です。
この人は、Michael Siegel (マイケル シーゲル)というミュンヘンの法律家。
警察に苦情(どんな内容かはわかりませんが)を言いに行ったら、
看板を掲げ、市内を歩かされるという辱めを受けました。
Ich werde mich nie mehr bei der Polizei beschweren
「私はニ度と警察に苦情を訴えません」
という意味だそうです。
警察が機能していない恐ろしい世の中だと思いました。


3.ナチ党のものすごい集会

ナチ党の記録映画「意志の勝利」の一部を観ました。


ものすごい数の党員がいます。(写真の上半分)
写真には写っていませんが、この後で旗を持った党員が続々と入場してきます。
映画はモノクロでしたが、カラーだったらものすごい光景であろう。と
若尾さんは仰っていました。
確かに、↓このような旗が何万もはためいていたら少し怖いかもしれません。

集会では、「Sieg Heil(ジーク ハイル)」と繰り返し叫んでいました。
機動戦士ガンダムで、ジオン軍が「ジーク ジオン」と叫んでいたのを思い出しました。


ヒトラーの演説も少し流れました。
聞いていると、気分が高揚してくるのが分かる気がします。
当時、ヒトラーの演説を聞いて、涙を流して共感する女性が沢山いたそうです。


●第3回は「ホロコーストは事実か?」です。これも楽しみです。