「ミツバチの羽音と地球の回転」を観た その2

●映画ミツバチの羽音と地球の回転」では、
「エネルギーの自立」が大きなテーマとなっています。


●スウェ−デンは、「2020年までに石油に依存しない社会になる」と宣言しているそうです。
その一環として、電力市場が開放されている。
すなわち、複数の電力会社が参入し、市民はどの会社から電気を買うか選べるらしい。


●映画に登場するストックホルム在住の男性が、こんなことを言われてました。

彼「日本にも、環境にいい電気はあるだろう?環境認証がついた電気を選べばいいんだ」
監督「選べません」
彼「できないはずがない。できるだろう?電力の自由化がされてないのかい?」
 「たった一つの電力会社からしか買えないのかい?」

監督「そうです。独占されています」
彼「ほんとに電力が自由化されていないのかい?そりゃ変えなきゃだめだ。」
 「スウェーデンでは12年も前から僕たちはエコマークがついた電気を選べるんだ」
 「ぼくは風力だけを選んでいるんだ」

監督「値段は?」
彼「風力はかなり安い。共同購入だからね。普通の半分ぐらいしか払ってない」
 「汚い電気に比べてね。緑の電気汚い電気があって、汚い電気は買いたくないからね」




●日本では、このように電気を選んで購入することができないです。
しかし、この映画では、電気の自由化に向けて着々と活動されている方が紹介されています。
環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也さんです。


飯田さんは、小規模分散型のエネルギーを普及する取り組みをされています。
この映画でその具体例が紹介されています。
 『青森県六ケ所村の二又風力発電所にある34基の風車
 ここから、東北電力の送電線を使って、直接東京に売電されることが決まった
 約4万軒分の電気が送電される』 そうです。


●そして、飯田さんはこんなことを言われています。
「二項対立の思考停止社会から、未来志向で、建設的にお互いに協力し合う、
大人の社会に、ガッと、こう変わっていくことなんですよ。」


●「原発反対」とか、「電力自由化反対」などと主張するのはいいけれど、
相手を敵視し、自己主張するだけでは、物事は解決しないですね。
飯田さんの考えは、ドイツの哲学者「ヘーゲル」の弁証法のようで
とても素晴らしいと思いました。


東京の人口からすれば、4万軒は、ほんの一部かもしれません。
しかし、飯田さんの取り組みは、
「電力独占」という壁を壊し、大きなうねりとなっていくと思います。