「韓国併合100年を超えて」高橋哲哉さんの話を聞いた。

 サブテーマ:「歴史を問い直し平和をつくる」
 講師:東京大学院総合文化研究科教授 高橋哲哉さん
 場所:名古屋YWCAビッグスペース


朝鮮総督府が制作した2本の映像を見せていただきました。
 1.『朝鮮の愛國日』
 2.朝鮮の志願兵の軍事訓練の様子
→植民地支配というものが、いかに朝鮮の人たちのアイデンティティ
 尊重せずに行われてきたかということを理解できました。


●朝鮮植民地化の正当性を基礎づけた根拠などについて説明いただきました。
福沢諭吉氏、岡倉天心などの資料をもとに説明していただいたので、
 わかりやすかったです。
 天皇制神話が植民地支配の正当化に使われたことを知りました。



<高橋さんの話を聞いて考えたこと>
2つあります。
(1)自分が「して欲しくない」と思うことは、他人にしてはいけない。
 それは、国家レベルでも同じだと思う。
(2)不安や恐怖には、過敏に反応すべきでない。(個人も国家も)


(1)について
これは、冷静に考えれば「当たり前のこと」です。
しかし、戦争直前のような時期には冷静な判断ができなくなるようです。

朝鮮植民地化の正当性の根拠の一つとして、
「朝鮮を近代化してあげたんだからいいじゃないか」があると思います。
「朝鮮の人にとって、よかれと思ってしてあげた」という理屈でしょう。


しかし、日本が、西洋に追いつけ追い越せで、自力で近代化をしてきたように、
朝鮮も自力で近代化を目指そうとしていたのかもしれない。
また、そもそも近代化自体が「良いこと」とは言えない。
という考え方もあると思います。


もし、朝鮮の人から、
「今、朝鮮は、ロシアから侵略されようとしています。
 日本の植民地になっても良いから、どうか守ってください。」
とお願されたのであれば、
植民地化の正当性の根拠になる可能性は少しはあるかもしれません。
(そうお願いされても、断るべきだと思いますが)


しかし、朝鮮の人から、何も要請がないのに、
植民地支配をしたことについて正当性の根拠となるものは全くないと思います。
「近代化してあげた」などの理由をいくらならべても、
日本が朝鮮を植民地化したことは、ただの「おせっかい」にすぎない。
いや、高橋さんも仰っていたように「罪」にあたると思います。


(2)について
人は不安や恐怖を感じると、それを解決しようと対策をします。
「備えあれば憂いなし」というやつです。
この「備え」は、適度であれば問題ないのですが、
度を超えると、周りに悪影響を及ぼすと思います。


たとえば、日本は、日露戦争に勝ったけど、完勝ではなかったので、
ロシアに対して不安・恐怖をいだいていた。
それに備えるために、朝鮮や満州を日本の防波堤としたのだと思います。


しかし、この備えは、朝鮮や満州の人たちの多大な迷惑をかけただけでなく、
西欧列強に日本に対する警戒感を抱かせたのだと思います。


では、当時の日本は、どうすればよかったのか?
 ・第一には、ロシアが攻めてこないように仲良くしておく(外交努力)
 ・もしものために、日本海側の地域の防衛体制を作っておく。
 (これもあまりやりすぎると、ロシアが不信感を抱くことになるでしょう)
当時、こうした意見を提案した人もいたと思いますが、採用されなかったのでしょう。



本日は、ここに書ききれない情報を、高橋さんからいただきました。
さらに、本で調べるなりして、自分の糧にしたいと思います。